マイクロ・ガス・タービン
 マイクロ(極小)という言葉どおりに、従来まで大規模工場などの発電機として使用されていたガスタービンを技術革新で小型化したものです。技術革新(軸受けをころがり軸から空気軸に変え、摩擦・磨耗の減少を図った)に成功したのは米国のCapstone社で、正式な定義はありませんが、100KW未満の高効率の発電をするガスタービンを、マイクロガスタービンと呼んでいます。
 1..軽量コンパクト 2.NOx、CO2など排出ガスが少なく環境特性がある 3.潤滑油・冷却水が不要でメンテナンスフリー 4.シンプルな構造 5.発電効率が25%以上(ちなみにガスタービンは15%程度)と高いなどの特徴があります。
 小型化に成功したため、現在、注目を集めるコージェネレーションシステムの機器としても有力視されています。回転式原動機であるタービンを稼動させるエネルギーとして、灯油、A重油、LPGが使用されることから、石油業界でも石油連盟が石油コージェネレーションとして実証テストに取り組んでいます。会社、独身寮、研究所、コンビエンスストアなどのコージェネレーションとして、使用できる可能性があります。
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メジャー
 石油会社の中で、探鉱・開発・生産の上流部門から精製・輸送・販売の下流部門まで、一貫操業を世界的な規模で展開する会社の略称です。
 特に規模が大きいエクソン、モービル、テキサコ、ソーカル、ガルフの米国系5社に、英蘭系のロイヤル・ダッチ・シェルと英国系のブリティッシュ・ペトロリアムの7社メジャーを総称して「セブン・シスターズ」と呼ばれていました。フランス石油(現トタールフィナ・エルフ)を加えて「エイト・シスターズ」と呼ばれることもありました。

 産油国に巨大な利権を持って世界石油市場を支配しましたが、石油危機以降はOPECの躍進で地位が低下しました。1984年にはガルフがシェブロン(旧ソーカル)に吸収された後、しばらくして97年のBP(旧ブリティッシュ・ペトロリアム)による米国アモコの吸収で「BPアモコ」が誕生し、これを契機に、メジャー各社は大合併時代を迎えました。98年にはエクソンとモービルによる「エクソンモービル」、2000年にはシェブロンとテキサコによる「シェブロンテキサコ」の誕生も明らかにされ、この3社と「ロイヤル・ダッチ・シェル」社は、メジャーの中でもずば抜けて企業規模が大きくなり、「スーパーメジャー」という呼称で呼ばれることがあります。

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元売
 第二次大戦後に国内での石油精製が再開された際に、精製設備ないしは輸入基地を持ち、製品の配給能力を有すると認められた事業者を「登録元売業者」に指定されました。現在では、石油製品の一次卸事業者を指す総称となっていますが、一般的には元売会社は原油探鉱開発、タンカー会社、精製会社、物流会社を資本支配下においており、メーカー機能までをも総称して「元売」ということが多いようです。
 シェアが高い順に日石三菱、出光興産、コスモ石油、昭和シェル石油、ジャパンエナジー(JOMO)、モービル石油、エッソ石油、東燃ゼネラル石油、キグナス石油、太陽石油、九州石油、三井石油があります。、昭和シェル石油、モービル石油、エッソ石油、東燃ゼネラル石油、キグナス石油の5社を、いずれもメジャー との資本関係から「外資系元売」と呼びます。このうちモービル石油とエッソ石油は100%外国資本の石油会社です。このほかの7社を「民族系元売」と言います。

 最近では大手元売間での業務提携が相次いでおり、日石三菱とコスモ石油、昭和シェル石油とジャパンエナジー、米国エクソンモービル系のモービル石油・エッソ石油・東燃ゼネラル石油、出光興産の「元売4極体制」の時代を迎えています。

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